2010年に初代iPadが登場して以来、iOS版Photoshopの完全デスクトップ版は、デザイナーやアーティストの間で最も待ち望まれていたクリエイティブアプリの一つでした。それ以来、競合他社はそれぞれの製品でその空白を埋めようとしてきましたが、既存のPhotoshopユーザーが期待するCreative Cloudとの真の統合は実現できていません。本日、ロサンゼルスで開催されたAdobe MAX 2018において、Adobeはクリエイティブコミュニティの要望に応え、真のiPad向けPhotoshop CCと名付けたプレビューを発表しました。
Adobeは以前のCreative Cloudモバイル製品で、Photoshopの特定の機能をiOSユーザーに提供することに重点を置いていました。Photoshop Express、Sketch、Mix、Fixはそれぞれ、モバイルハードウェアのこれまでのパフォーマンスの限界によって制限された機能しか提供していませんでした。Adobeによると、最新のタブレットやスマートフォンの性能によって、Photoshopのフルパワーをデスクトップから解放することができました。
Adobeは、このソフトウェアの初期プレビューで、iPad Pro上で重厚で多層構造のPSDファイルを軽々と操作し、エフェクトの適用やリアルタイム編集をスムーズに行えるデモを披露しました。アプリとApple Pencilの連携により、オブジェクトの効率的なレタッチ、消去、複製が可能になりました。
デスクトップ版と同様に、充実したツールバーとレイヤー管理インターフェースに加え、お馴染みのツール、フィルター、調整、マスクオプションもご利用いただけます。これらの機能は、iPadのサイズとマルチタッチディスプレイに合わせて最適化された新しいユーザーインターフェースに実装されていますが、長年のPhotoshopユーザーが培ってきた操作感覚を多く取り入れているようです。
iPadでPSDファイルに加えた編集内容は、Creative Cloud経由でデスクトップ版Photoshopにシームレスに同期され、デスクトップ版でも同じファイルを開いて調整できます。両アプリケーションはコードベースを共有しているため、デバイス間で移行する際にエクスポート、変換、調整を行う必要はありません。このシームレスな同期は、Creative Cloudの新たな機能であるクラウドドキュメントによって実現されています。
1.0を迅速にリリースするため、iPad版Photoshop CCは当初はコア機能を限定した状態でリリースし、残りの機能は徐々に追加していく予定です。Adobeは、この移行がいつ完了するかについて、現時点では具体的なスケジュールを定めていません。
iOS版に加え、デスクトップ版Photoshop CCにも本日大幅な改善が加えられました。コンテンツに応じた塗りつぶし機能の強化や、画像のマスクやサイズ変更を簡単に行える新しいフレームツールなどが追加されました。また、「対称ペイント」機能の導入により、対称軸に沿って反転したブラシストロークを作成できるようになりました。
Photoshopの「元に戻す」ショートカットが刷新されました。最新の変更点よりも前の状態に戻すために、Command+Option+Zといういつものショートカットを覚えておく必要がなくなりました。これらの変更に加え、多くの機能が本日リリースされ、将来的にはPSDファイルのクラウド同期も追加される予定です。改善点の全リストはAdobeのウェブサイトでご覧いただけます。
iPad版Photoshop CCについてさらに詳しく知りたい方は、アップデートの登録を行ってください。iPadユーザーは、Adobeが「これまで不可能だったデジタルアートの作成を可能にする」と謳う、近日リリース予定の専用ドローイング＆ペイントアプリ「Project Gemini」にも興味があるかもしれません。このアプリについては、今朝のAdobeのCreative Cloudに関するその他の発表と合わせて、こちらの別の投稿で詳細をお伝えしています。
最後に、Adobe の新しい Creative Cloud イラストレーション スタイルの独占初公開をぜひご覧ください。また、今週の 9to5Mac では、Adobe MAX の現地取材をさらにお届けしますので、ぜひご注目ください。
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